奇物蒐集癖。
私の下らない趣味の一つに、怪しげなものの蒐集があります。
骨董市で出ていた怪しげな薬瓶や、アートフェスタで発見した奇妙な絵、田舎の山で拾った白骨に至るまで、私の好奇心をくすぐった変わったもの、おかしなものは見つけたらすぐに懐の中です。
骨董市などで探すこともありますが、基本お金をかけずに気に入ったものを探すのがこの趣味の醍醐味です。きちんとした審美眼でもあれば、換金性の高いものが集まったのかもしれませんが、タヌキの頭蓋骨を拾ってきて漂白剤に漬けて洗ったり、しょーもないことをして、しょーもないものばかりを集めていっているのが現状です。
この趣味の発端は、母方の田舎が古い倉のある大きな旧家で、その倉に入り浸り、年月を経た黴臭くも興味深い品々で目を輝かせていた幼い頃の経験でしょうか。
その倉はもう取り壊されてしまいましたが、家にはまだ私の興味をそそる品々が幾つも残されています。
以前このブログで取り上げた日本刀も、ここで発見したものでした。http://orangekinoko16.hatenablog.com/entry/2012/04/01/223143
また幾つか怪しげな品を発掘してきたので、何品かご紹介します。
鞄。
一見ただの鞄に見えますが、この鞄、実は表面がすべて「みのむしの蓑」で仕立てられています。虫スキーの私には堪らない一品です。
糸。
母の話によれば、どうやら他界した曾祖母が手紡ぎした蚕の絹糸ではないか、ということ。使えるものはできる限り使う主義なのですが、さてさて、何に使ってみましょう?
日本赤十字社終身社員章綵花・略綬
軍装品の一種らしいです。先の戦争を思わせる一品です。
大鋸。おが、おおが、と呼びます。
縦引き用の巨大な鋸で、鋸の挽き滓を「オガクズ」と呼ぶのはこれが語源です。
砥石とワイヤーブラシで磨いてみると、根元には銘らしきものが。
非常に巨大で、どのくらいの大きさかというと、
このくらい。
このくらい。
ちなみに、この怪しげな般若面も、この田舎で発見したものです。
裏には製作者の名前と日付が。
さてさて。
道具が使われないまま古びていくのは見るに耐えず、「道具は使ってこそ」をモットーに、古くなった鎌や鉈などは研ぎなおして役立てたりもするのですが、この大鋸などは、研いでみたところで中々使い道がみつからず、新聞紙に包まって部屋の隅に鎮座しています。材木の縦引きなんてする機会ありませんし、なにより、こんなものとても使いこなせません。
赤錆が浮いて気になっていたので荒く砥石で磨いたのですが、暇のある時に、もっと綺麗に磨き上げてあげたいものです。
久々に更新しましたが、次はまた庭の畑の近況でも。