居合刀の修理。
稽古で愛用している居合刀が、使いすぎと、私の腕が未熟なせいで段々と鞘の方が痛んで参りました。
抜きつけの繰り返しで鞘の内側が擦り減り、鯉口が緩んでいるのと、抜きつけの負担が重なったせいで、鞘に罅が入ってしまいました。
鞘に入った罅です。これを放置しておくと、鯉口が緩くなるのみならず、罅が広がって、最後には鞘が二つに割れてしまいます。
鯉口が擦り減って緩くなった部分には、朴の木の板を削って内側に貼り付けました。
難しいのは、鞘の罅の方です。
先生に修理法を習い、自分でもできそうなので、道具の修理も武道家の嗜みということで、自分で修理に挑戦してみることにします。
と、言っても、そう難しい作業ではありませんでした。
切れない頑丈な糸が必要とのことなので、手芸店に行って、革工芸用の糸を買い込んできました。色は鞘の色合いに合わせています。
それを、鯉口の方のから、ぎゅっ、ぎゅっと罅割れが広がらないように締め付けながら、鞘に巻きつけていきます。
最初は糸の方をまわしていましたが、鞘の方を回転させた方が楽で確実でした。
結構根気のいる作業でしたが、鯉口から栗形まで、みっちりと巻きつけていきます。
巻きつけ完了。
最後に糸を引きつけ、解けないように結び合わせます。
稽古中にほどけてしまう可能性もありますが、その時はその時で。
最後に、ばらけないように、糸の上から接着剤を塗りつけて固めて完成です。
もう少し、糸の色合いは暗い方が良かったかな?
稽古を繰り返していくと、段々刀も痛んでくるのは避けられませんが、やっぱり、正しい方法で丁寧に抜くと、刀の磨耗もぐっと少なくなります。
まだ抜きつけに力が入ることも多いので、肩の力を抜いて、鞘引きを意識して一本一本丁寧に抜くように心がけていきたいですね。