球体関節人形製作記(その2)
もそもそと独学で製作を続けてきた球体関節人形ですが、とりあえず一通りの部品が揃い、胴体と顔の大まかな骨格が出来上がって形になると、
「やってみたら、思ったよりできるもんじゃん!」
なんて、軽薄な感想を抱いたりもしましたが、私の大きな思い上がりでした。
球体関節人形の、球体関節人形たる所以。
人形の、球関節の部分こそが真に難しい部分で、四苦八苦しながら格闘中です。
膝関節部分と、股関節球。
肩関節部分と、肘と手首の独立関節球。
これらの関節球とその受けの部分が、きっちりと過不足なく嵌まり込んで、滑らかに動くような関節にするためには、何度も微調整や削り込みの試行錯誤が必要で、随分苦労させられました。
特に、股関節球は、球自体の精度が今一つ良くないので、股関節部分にしっかりと嵌り込むまで、かなりの削り込みが必要でした。
もう、こんなに削っちゃっていいの!? というぐらい削っても、まだまだ削り方が足りなくて、球の方も綺麗な玉に近づける為に紙やすりで削ったりと、サンディング作業にかなりの手間をとられました。
関節作業の合間に作った、手足の指の部分も、かなりの難しさでした。
不器用なもので、何度も指を折ってしまったりしながら、肉付けした当初はグローブのような形だった指を、女の子の指らしく整えていくのは、難しいながらも楽しい作業でした。
参考にしたのが私の胼胝だらけの指だったせいか、あまり女の子の指らしくならなかったのが少し残念です。
逆に、簡単で楽しかったのは眼球作りです。
虹彩の大雑把な形を作図して、瞳孔や虹彩の滲みなどを書きこみ、絵具で彩色。
その後、適宜拡大コピーをして、切り取り、
家具の滑り止めなどに使うピットクッションに貼り付け、
手芸用品の紐の端を留める、ループエンドに嵌め込みます。
こんな大雑把なやり方でも、結構本物の眼球っぽく見えるのが、面白いところです。
ただ、私の人形に目を入れると、どうも睨みつけているような表情になってしまうので、瞼周りを改良しなければいけません。
個人的にはツリ目の女の子が好きなので、猫のような可愛らしい目にしたいところです。
何とか、一通りの関節の組み込みが終わったので、一度ゴム紐を通して、完成後にどうなるかの仮組みをしてみることにします。
今までバラバラの部品だったものが繋がって、人型に仕上げていくこの作業には、正直、興奮を隠せませんでした!
球体関節人形さやかちゃん(仮名)、大地に立つ!
素人の仕事で、関節の噛み合わせも、作業しながら、これは拙いなあ、と思う部分が幾つもあったので、支え無しでの直立は無理だろうと考えていたのですが、少し足をずらすことによって、なんとか自立してくれました!
左足の方が少し長いので、足首と、股関節球周りをもう暫く削りこんで、もっと自然な形で直立できるようにしなければいけないようです。
まだ、後頭部を閉じていないので、完成時にはもう少し後ろ重心になるでしょうか?
まだ髪も目も無いので、リトルグレイのような感じですねw
これから、もう一度分解して、各関節の微調整と、左右非対称の部分の削りなおし、それから細部の作り込みです。
顔、耳、手足の指、などなど、女の子のチャームポイントとしての部分がどこも不細工なので、仕上げまでにもう少し美人さんに仕上げてあげたいですね。
ド素人が背伸びして色々と無理をしてみましたが、最後にもう一踏ん張りして、胸部に関節球を仕込んでみたいと思います。
ハンス・ベルメールではありませんが、やっぱり、球体関節人形のチャームポイントは、腹胸部の大きな関節球だと思いますので。
それが済んだら、いよいよ表面の仕上げと彩色です!
さてさて、今年中に仕上げることができるでしょうか……?