米一粒仏七体

個人的備忘録です

イワヒバの植え替えと石付け

 イワヒバは私の大好きな植物の一つです。盆栽などにも良く使われるシダの一種で、独特の形をした青い葉と、何年でも生き続ける強靭な生命力が魅力です。昔は私の田舎の井戸端にも沢山生えていて、幼少の頃から親しんできた植物でした。

 それが、現在井戸端のイワヒバは田舎の工事の関係でほぼ壊滅状態、私が引き取った一株も世話に失敗して枯らしてしまったという苦い経験があるのですが、挿し芽で繁殖が容易ということで、いつか大量に増やして田舎の井戸端に戻してやろうと密かに企んでいました。そこに都合よく、この度親戚の方から、古くなったイワヒバの盆栽を一鉢頂くことができました。

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 ご覧の通り、数年間放置され乱雑に伸び放題、雑草が侵入して酷い状態でしたが、嬉しいことに、落ちた葉先から芽吹いた新芽が大量に育っていました。

 とりあえず、まずは本体の三本の大株を植え替えることにします。

 鉢から取り出すと、びっしりと根がまわっていて、放置された年月を偲ばせる状態でした。固くなった土を熊手でほぐしながら、水を張ったバケツの中で不要な土を荒い流し、古い根を取り除き、根をほぐして広がれるようにします。

 日向土と桐生砂などで作った水はけの良い土に植え直してみました。

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 ビフォーアフター。三株の高さの違いをもう少しメリハリつけたかったですね。

 右の株についたノキシノブは面白い形に伸びているのでそのまま残しています。

 

 さて、土を洗うと出るわ出るわの大量の新芽。

 一旦別の鉢にまとめて植え付けて、大きく育つのを待つことにします。

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 全部で1ダースぐらいでしょうか?

 岩の上に張り付いてでも生きる強靭な植物なので、根と葉をきちんとセットに植えこめば、それなりに生き延びてくれるはず。成長の遅い植物なので、今後に期待ですね。

 新芽の中では、もうはっきりとイワヒバとしての形がわかるぐらいまでに成長した株もいくつかありました。折角なので、これらの株は石付き盆栽に仕立ててみることにします。

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 庭に転がっていた溶岩質の軽石。

 裏にはナメクジやヤスデが巣を作ってるわ、イラガが繭を作って羽化した形跡があるわの酷い状態でした。

 その分地衣類なども付着して、割合いい風格の石になってくれています。

 これに、金づちと頑丈なマイナスドライバーで4つ程移植用の穴を開けてみました。石を削るので苦労するかと思ったのですが、強度は氷より少し弱いぐらいで、簡単に削ることができました。

 

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 ビフォーアフターその2。水洗いしたイワヒバの青が鮮やかです。

 穴が思ったより小さかったので、根と固定のための砂土を強引に押し込んだので、きちんと付いてくれるか少し心配です。それから穴が小さく水保ちが悪そうなので、小まめに水やりをする必要がありそうですね。

 穴の数だけ、育った子株を4株植え付けてあるのですが、芽吹いたばかりの米粒のような新芽を、石の穴に幾つか押し込んであります。さて、こちらも付いてくれるでしょうか?

 折角なので、化粧砂を敷いて、罅が入ってしまって使えなくなった小鹿田焼の大皿に据えてみましたが、いかがでしょう?

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 現在の我が家の盆栽棚です。玄関の日当たりのいい場所に小物を並べてあります。